はじめに
毎日の中で「もっといい言い方あったかも?」と思うこと、ありませんか?
言葉ひとつで相手の受け取り方は大きく変わります。
今回は、ちょっとした言い回しの工夫でやわらかく、前向きに伝えられる“たった一言の言い換え”をシーン別にご紹介します。

言葉は使ってこそ、自分のものになります。気になった言い換えを、ぜひ今日から使ってみてくださいね。
よくある言い回し→印象がよくなる言い換え
よくある言い方 →言い換え例 | 補足(使う場面・印象) | |
---|---|---|
◆ありがとう →本当に助かります。 →お心遣い、とても嬉しいです。 →おかげさまで、助かりました。 | 感謝の気持ちは、少しだけ具体的に伝えると、相手の心にぐっと響きます。「嬉しい」や「助かる」などの言葉を添えることで、温かさがより伝わります。 | |
◆すみません →ありがとうございます。 →申し訳ありません。 →お待たせいたしました。 →恐れ入ります | 「すみません」は場面によって印象が変わる言葉です。 相手やシーンに合わせて言い換えることで、より気持ちが伝わりやすくなります。 | |
◆ごめんなさい →大変申し訳ありません。 →私の不手際で、大変失礼いたしました。 | 謝るときほど、相手への配慮をにじませる言葉選びが大切です。やわらかな響きを意識することで、誠実な気持ちがつたわります。 | |
◆わかりました →承知いたしました。 →かしこまりました。 | 相手の言葉をしっかり受け止めたことが伝わる表現にすることで、丁寧で信頼感のある印象になります。 | |
◆そうですね →私も同感です。 →私も同じように感じております。 →おっしゃる通りです。 | 「そうですね」はよく使う言葉ですが、少し丁寧に言い換えるだけで、やさしさや信頼感がグッと伝わります。 | |
◆なるほど →よく理解できました。 →おっしゃる通りですね。 →大変勉強になります。 →貴重なお話をありがとうございます。 | 「なるほど」と伝える場面では、相手の話を聞いている姿勢が伝わる言葉選びが大切です。理解・共感・感謝など、自分の気持ちを丁寧に返すことで、より良い関係が築けます。 | |
◆~だと思います →~と感じています。 →~と考えています。 →~ではないでしょうか。 →~はいかがでしょうか。 | 「〜だと思います」はやさしい表現ですが、伝えたい内容に合わせて言い換えることで、印象をやわらかくしたり、説得力を高めることができます。 | |
◆ちょっと →少々 →少しだけ →ほんの少しだけ →ほんのわずかですが | よく使う「ちょっと」も、言い方を少し変えるだけで、丁寧さや思いやりが自然と伝わります。 | |
◆頑張ってください →応援しています。 →ご無理なさらないでください →うまくいくといいですね。 →お身体に気をつけてくださいね。 | 「頑張ってください」は励ましの言葉ですが、場面によってはプレッシャーになることも。気遣いや応援の気持ちが伝わる言い換えで、相手の状況に合わせて、やさしく思いを伝えられます。 | |
◆無理です →今回はご遠慮させていただきます。 →今回は難しそうです。 →対応できそうにありません。 →今は、少し手が離せなくて | 「無理です」はきっぱり伝える印象になりやすいですが、やわらかく言い換えることで相手に配慮が伝わります。 |
実例シーンまとめ
こうした言い換えは、少し意識するだけで自然に使えるようになっていきます。
まずは日常の中で、ひとつずつ試してみてくださいね。
◆ありがとう
・様々なシーンで
→「○○を手伝ってくれてありがとう。」
・体調を気遣ってくれた相手に
→「お心遣い、とてもうれしかったです。」
・仕事でのやりとりに
→「○○さんのアドバイスのおかげで助かりました。」
◆すみません
・感謝の気持ちを込めて
→「お手数をおかけして申し訳ありません、助かりました。」
・謝罪の気持ちを伝えるとき
→「先ほどはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。」
・待たせてしまったとき
→「お待たせいたしました。すぐにご案内いたします。」
・ちょっとした声かけやお願いに
→「恐れ入りますが、こちらご確認いただけますか?」
◆ごめんなさい
・しっかり謝罪を伝えたいとき
→「大変申し訳ありません。以後、気をつけます。」
・自分のミスや不手際に対して
→「私の不手際で、大変失礼いたしました。」
◆わかりました
・ビジネスやフォーマルな場面で
→「次回の予定は〇曜日ですね。承知いたしました」
・接客や丁寧な受け答えとして
→「はい、かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
◆そうですね
・軽い共感や会話の相づちとして
→「私も同感です。考え方にすごく共感しました」
・少しフォーマルに気持ちを伝えるとき
→「私も同じように感じております。とても参考になります」
・相手の意見にしっかり同意したいとき
→「おっしゃる通りです。その視点は見落としていました」
◆なるほど
・相手の説明に納得したときに
→「よく理解できました。ありがとうございます」
・深く共感したときの受け答えに
→「おっしゃる通りですね。とても納得しました」
・学びを感じたときに
→「大変勉強になります。さっそく活かしてみます」
・感謝の気持ちを込めた丁寧な返答に
→「貴重なお話をありがとうございます。とても参考になりました」
◆~だと思います
・やさしく気持ちを伝えるときに
→「その提案は、とても魅力的なものになると感じています」
・少しフォーマルに意見を述べるときに
→「期日までに完成できると考えています。理由は以下の通りです」
・控えめに提案したいときに
→「こちらの案ですすめても問題はないでしょうか。ご意見を伺えればと思います」
・相手の判断をうながす提案に
→「ご都合はいかがでしょうか。ご検討いただけると嬉しいです」
◆ちょっと
・やわらかく控えめに伝えたいときに
→「少々お時間をいただけますか?」
・ちょっとした行動を伝えたいときに
→「少しだけ席を外しますね」
・カジュアルさを保ちつつ、丁寧にしたいときに
→「ほんの少しだけ相談してもいいですか?」
・気を使いながら遠慮がちなニュアンスを伝えたいときに
→「ほんのわずかですが、お役に立てれば嬉しいです」
◆頑張ってください
・そっと背中を押したいときに
→「新しいプロジェクト、応援しています。」
・体調や状況を気づかいながら声をかけたいときに
→「最近忙しそうですね。ご無理なさらないでくださいね。」
・やさしい願いをこめて見守りたいときに
→「明日はいよいよ本番ですね。うまくいくといいですね。」
・ねぎらいと気づかいを込めたいときに
→「寒い日が続いていますので、お身体に気をつけてくださいね。」
◆無理です
・丁寧にお断りしたいときに
→「せっかくのお誘いですが、今回はご遠慮させていただきます。」
・申し訳なさをやんわり伝えたいときに
→「その納期ですと、今回は難しそうです。納期を少し伸ばしていただけると助かります。」
・できないことをはっきり伝えたいときに
→「大変申し訳ありませんが、その件に関しては、私では対応できそうにありません。」
・状況を説明しつつ、やんわり断りたいときに
→「今は、少し手が離せなくて…〇分後でしたら対応できますが、いかがでしょうか。」
言葉の選び方ひとつで、伝わり方がやさしく変わる
毎日のちょっとした会話やメールで使う言葉も、
ほんの少し言い換えるだけで、グッと丁寧でやさしい印象になります。
今回紹介した10の言葉も、「いつもこう言ってるな」と思ったら、
まずは一つだけでも、実際に使ってみてくださいね。
言葉は、相手への思いやりや信頼感を伝える大切なツール。
日々のやりとりが、もっとあたたかく、心地よくなるきっかけになりますように。