「毎月コツコツ貯金できる人」
「なぜか毎回ギリギリになる人」
その違いは、意志の強さだけではなく、
お金を残す仕組みにあるのかもしれません。
「今月こそ、残ったお金を貯金しよう」
そう思っていたはずなのに、生活費を払って、必要なものを買って、ときどき予定外の出費もあって。
気づけば、月末にはほとんど残っていない。
そんなときに知っておきたいのが、「先取り貯金」という方法です。
先取り貯金は、毎月頑張ってお金を残そうとするのではなく、先に貯める分を分けて、残ったお金で暮らす仕組みを作る方法です。
そして、そのやり方もひとつではありません。
自動で積み立てる方法が合う人もいれば、口座を分けたほうが分かりやすい人、現金を目で見ながら管理したほうが続く人もいます。
大切なのは、「一番正しい方法」を探すことではなく、自分が無理なく続けられる方法を見つけること。
今回は、先取り貯金の基本的な考え方と、自分に合った始め方を紹介します。
この記事でわかること
- 先取り貯金と「残ったら貯金」の違い
- 自分に合った先取り貯金の方法
- 500円・1,000円から始めても意味がある理由
- 先取りしたお金を使ってしまうときの考え方
- 今は先取り貯金をしなくてもいいケース
先取り貯金とは?「残ったら貯金」との違い
「残ったら貯金」と先取り貯金の大きな違いは、お金を貯める順番です。
残ったら貯金する場合は、
収入 → 生活や買い物に使う → 残った分を貯金する
という順番になります。
一方、先取り貯金は、
収入 → 貯める分を先に分ける → 残ったお金で生活する
という順番です。
月末になってから「いくら残ったかな」と確認するのではなく、最初から使うお金と残すお金を分けておきます。

前の記事では、「お金が貯まらない」状態を、
- 本当に余裕がなくて貯められない
- 今は別のことを優先して貯めていない
- 貯めたいけれど、まだ仕組みがない
の3つに分けて考えました。
先取り貯金は、この中でも特に「貯めたいけれど、まだ仕組みがない」人が試しやすい方法です。
なぜ先取り貯金は続けやすい?
先取り貯金のよさは、単に「先に取っておけば貯まる」ということだけではありません。
毎月のお金に関する判断を減らせることも、大きなポイントです。
毎月「貯金するか」を考えなくていい
月末にお金が残っていると、
「今月はこれを買っても大丈夫かな」
「少しくらい使ってもいいかな」
と、そのたびに判断することになります。
自動積立などを使って最初から分けてしまえば、毎月「今月も貯金しよう」と決意する必要がありません。
頑張って続けるのではなく、続きやすい状態を先に作っておく。
習慣を作るときと同じように、お金の管理でも「毎回頑張らなくていい仕組み」は役に立ちます。
使っていいお金が分かりやすくなる
先に貯金分を分けると、残った金額が「今月使えるお金」になります。
すべてのお金がひとつの口座に入っている状態よりも、
使うお金と、残しておくお金
の境界が見えやすくなります。
「いくらまでなら使っていいんだろう」という迷いを減らせることも、先取り貯金のメリットです。
少額でも「貯める習慣」を作りやすい
先取り貯金というと、毎月何万円も貯めなければ意味がないように感じるかもしれません。
でも、最初から大きな金額にする必要はありません。
大切なのは金額より、先に分ける流れを生活の中に作ることです。
無理なく続けられる金額から始めて、余裕が出てきたら見直していけば十分です。
先取り貯金のやり方5つ|自分に合う方法を選ぼう
先取り貯金には、いくつか方法があります。
「これが正解」とひとつに決める必要はありません。
普段のお金の使い方や、自分が管理しやすい方法に合わせて選んでみましょう。
| 方法 | こんな人に向いている |
|---|---|
| 自動積立・自動振替 | とにかく手間を減らしたい |
| 貯金専用口座 | 貯まっていく金額を分けて見たい |
| 封筒仕分け | 現金のほうが管理しやすい |
| 目的別口座など | キャッシュレス中心で管理したい |
| 少額から分ける | まずは小さく始めたい |

1.自動積立・自動振替
給与などが入る口座から、毎月決めた金額を自動的に積立用の口座などへ移す方法です。
一度設定してしまえば、自分で毎月お金を移す手間を減らせます。
「分かっているけれど、毎月自分でやるのは忘れそう」
という人には、自動化できる方法が向いています。
毎月の意思決定そのものを減らせるのが、大きなメリットです。
2.貯金専用の口座を作って分ける
普段使っている口座とは別に、貯金用の口座を用意する方法です。
生活費と貯金が同じ場所にあると、「このお金は使っていいのか、残しておくものなのか」が分かりにくくなることがあります。
口座を分ければ、
こちらは使うお金。こちらは残すお金。
と役割がはっきりします。
また、貯金用口座の残高を見ることで「これだけ貯まった」と実感しやすいため、数字が増えていくのを見ることがモチベーションになる人にも向いています。
3.封筒などを使って現金で仕分ける
キャッシュレスが便利になった今でも、現金のほうが管理しやすい人もいます。
給料日などに、
「生活費」 「自由に使うお金」 「貯金」
など、目的別に分けておく方法です。
封筒などに分ければ、残っている金額を目で確認できます。
スマホ上の数字よりも、実際に減っていく現金を見たほうがお金を使っている感覚を持ちやすい人には、こちらのほうが合うこともあります。
4.ネット銀行などの目的別口座・自動振り分けを使う
普段ほとんど現金を使わないなら、デジタル上でお金を分ける方法もあります。
金融機関によっては、ひとつのサービス内で目的別にお金を管理したり、自動的に振り分けたりできる機能があります。
たとえば、
「もしものためのお金」 「旅行」 「大きな買い物」
など、目的ごとに分けて管理する方法です。
普段からスマホやカードで支払うことが多く、現金を管理するほうが面倒に感じる人には使いやすい方法でしょう。
※利用できる機能や条件は金融機関によって異なります。実際に利用する際は、各金融機関の最新情報を確認してください。
5.少額から「先に分ける」
いきなりまとまった金額を先取りするのが難しければ、もっと小さく始めても構いません。
たとえば、
- 給料日に500円だけ貯金用口座へ移す
- 毎月1,000円だけ別にしておく
- 毎週決まった金額を貯める
- 現金派なら、おつりや小銭を貯金箱へ入れる
など、自分が負担に感じにくい方法から始められます。
「貯金しなければ」と構えるより、まずはお金を残す経験を作りたい人に向いている方法です。
ただし、小銭を貯める場合は少し注意が必要です。
金融機関によっては、硬貨を入金する際に枚数や利用方法によって手数料がかかったり、一度に扱える枚数に制限があったりします。
小銭貯金を始める場合は、貯めた後にどうするかも考えて、利用している金融機関の条件を確認しておくと安心です。
先取り貯金はいくらから始めればいい?
先取り貯金を始めようとすると、次に気になるのが金額です。
「毎月いくら貯めればいいの?」
と正解を探したくなりますが、家計の状況は人によって違います。
収入も違えば、家族構成や固定費、これから予定している支出も違います。
だから、誰かの金額をそのまま自分に当てはめる必要はありません。
最初から大きな金額を設定しない
最初に頑張りすぎて、
「今月も足りないから、貯金口座から戻そう」
となる状態が毎月続けば、仕組みそのものが負担になってしまいます。
まずは、なくても今の生活に大きな影響が出ない金額から考えてみましょう。
そして数か月続けてみて、
「もう少し増やせそう」
と思ったら、そのときに金額を見直せばいいのです。
500円でも1,000円でも、続けるとちゃんと「貯金」になる
「500円や1,000円だけ貯めても意味がないのでは?」
そう感じることもあるかもしれません。
では、少し先を想像してみましょう。
今月から給料日に毎月500円を貯金したとします。
1年で6,000円。 5年で3万円。 10年なら6万円です。
毎月1,000円なら、
1年で1万2,000円。 5年で6万円。 10年なら12万円になります。
もちろん、途中で金額を増やしても構いません。
反対に、家計が苦しい時期には金額を下げたり、一度立ち止まったりしてもいいでしょう。
最初の500円や1,000円は、大きな資産を作るためというより、
「給料が入ったら、少しだけ未来の自分にも残しておく」
という習慣を作るためのお金と考えてもいいのです。
「これくらいなら、やってみようかな」
そう思える金額から始めることも、立派な先取り貯金です。

「先取りしたのに使ってしまう」ときは?
先に貯金分を分けても、生活費が足りなくなって途中で戻してしまうこともあります。
そんなときも、
「やっぱり自分には貯金ができない」
と決めつける必要はありません。
毎月の先取り額が、今の家計には大きすぎるのかもしれません。
予定外の支出をどこから出すか決まっていないため、貯金から出すことになっているのかもしれません。
そんなときは、
- 先取りする金額を少し下げる
- 貯金用のお金と、急な出費に備えるお金を分ける
- 毎月どのくらい生活費が必要なのか確認する
など、「なぜ戻すことになったのか」を見てみましょう。
先取りしたお金を一度使ったからといって、失敗ではありません。
やってみたからこそ、「今の自分にはこの金額では続けにくい」と分かることもあります。
仕組みが今の暮らしに合っているかを確認しながら、少しずつ調整していけばいいのです。

先取り貯金を最優先にしなくていい時期もある
ここまで読むと、
「じゃあ私も今すぐ先取り貯金を始めなきゃ」
と思うかもしれません。
でも、先取り貯金を最優先にしなくていい時期もあります。
毎月の生活費そのものが足りない。
急な出費が重なっている。
収入が一時的に減っている。
そんな状態で無理に貯金を先取りすると、生活費が足りなくなり、結局また貯金から戻すことになるかもしれません。
前の記事でも触れたように、生活を維持することで精一杯の時期に貯金が増えないのは、単純に今は余裕がないからということもあります。
そんなときは、貯金額を増やすことより先に、今のお金の流れを知ることから始めても大丈夫です。
固定費や使っていないサービスなど、「何となく払い続けているお金」がないか確認することも、家計を整えるひとつの方法です。
先取り貯金は「頑張る」より「自分に合う仕組み」を選ぼう
自動積立が楽な人もいます。
貯金専用口座を作ると分かりやすい人もいます。
封筒で現金を分けるほうが安心できる人もいます。
どれかひとつが、すべての人にとって正解なわけではありません。
大切なのは、
「これなら、自分はあまり頑張らなくても続けられそう」
と思える方法を選ぶことです。
毎月強い意志で貯金するより、忘れていてもお金が残る。
迷わなくても、使うお金と残すお金が分かれている。
そんな状態を作れれば、お金を整えるために使う気力も少なくできます。
今日できる小さな一歩|「これならできそう」をひとつ選んでみる
今日は、口座を作らなくても構いません。
自動積立の申し込みまでしなくても大丈夫です。
まずは、この記事で紹介した方法から、
「これなら私にもできそう」
と思うものをひとつ選んでみてください。
「自動にしてしまうのが一番楽そう」
「私は口座を分けて数字を見るほうが続きそう」
「まずは給料日に500円だけ移してみようかな」
そこまで決められたら、今日の一歩としては十分です。

大きく始める必要はありません。
500円でも、1,000円でも、ゼロとは違います。
自分に合う方法が見えてから、次の一歩を決めていきましょう。
まとめ
「残ったら貯金しよう」と思っていても、毎月きれいにお金を残すのは簡単ではありません。
そんなときは、自分の意志の弱さを疑うより、お金を動かす順番を変えてみるという方法があります。
先取り貯金にも、自動積立、専用口座、現金での仕分け、デジタル上での目的別管理、少額から始める方法など、いくつもの選択肢があります。
最初から大きな金額を貯める必要もありません。
500円から始めてみる。
やってみて苦しかったら金額を変える。
一度使ってしまったら、なぜ使うことになったのか考えてみる。
そうやって、自分の暮らしに合う形へ少しずつ整えていけばいいのです。
そして、今は貯金する余裕がないなら、無理に始める必要もありません。
まず現在地を知る。 できそうなら、少しだけ仕組みを変えてみる。
その小さな変化を積み重ねながら、頑張らなくてもお金が整いやすい暮らしを作っていきましょう。

















